患者様の容態、療養段階、ご家族様の介護力、お悩みなど、状況に応じた訪問看護サービスのご利用例の一部をご紹介します。
訪問看護サービスをご検討する際の参考にしてください。
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人工呼吸器を装着した小児の訪問看護
プロフィール | 治療の病状悪化により3歳で気管切開し人工呼吸器を使用している男児、両親と兄姉5人暮し。 入院中から酸素吸入中(気管切開・人工呼吸器装着)で痰の吸引が必要、又膀胱内カテーテル留置、胃管カテーテル留置し経管栄養管理を受けている。家族は「家族と一緒に家で過ごしたい」という思いがあり医療ソーシャルワーカーより退院に向け訪問看護の依頼があった。 |
経過 | 退院後は在宅で療養できていたが病状が悪化し入院、約1~2か月後には膀胱内留置カテーテルを抜去して退院出来た。在宅での生活も3年が過ぎ支援学校より訪問授業を受けている。兄弟の学校行事時は訪問看護を利用し母親は行事に参加できる。その他計画的にショートステイを利用しながら家族の時間を調整し楽しく家で過ごすことが出来ている。 |
訪問看護の内容 | 身体状況の観察、人工呼吸器の管理、膀胱内カテーテル・胃管チューブ管理、栄養状態をはじめ療養指導・助言、入浴・リハビリテェーション等の支援を継続している。 相談支援専門員、訪問入浴サービス、訪問介護サービス、病院(医師、病棟看護師、外来看護師、医療ソーシャルワーカー)訪問診療医、ショートステイ利用先と連絡を取り家族の不安や負担軽減と緊急時の対応に向け調整を行っている。 |
保険 | 医療保険 週4~5回訪問・1~1.5時間/回数 + 特別管理加算(人工呼吸器・在宅酸素)+ 緊急時訪問看護加算 |
利用料 | 約40,000円前後/月 市の福祉医療費助成あり:訪問看護の自己負担は1600円 保険外料金:訪問時の交通費 |
自宅で看取りを行った訪問看護
プロフィール | 進行性のがんの為胸に埋め込んだ点滴用の器具から24時間点滴栄養と痛み止めの注入が必要な58歳の男性。80代の母親と妻、次女三女の5人暮し。長女は他県に嫁ぎ退院前後に第一子の出産予定であった。自営業、要介護2。 入院中に病院職員と訪問看護を始めとする在宅支援チーム職員が本人家族を交えて話し合いの場を設け退院への準備を行った。電動ベッドの導入と自宅で点滴の交換を家族が出来るように練習する等退院までのスケジュールを調整した。 |
経過 | 屋内で何とか一人で動けたが吐き気がありカロリー補給は点滴で行う状況で退院。点滴交換は家族が対応。退院後は痛み止めを麻薬に変更し輸血実施、退院2か月後に腹水貯留が見られ本人希望により腹水を抜く処置が実施された。主治医から本人と家族に残された時間が少ないことを説明、名古屋の長女が帰省し生まれて間もない孫とも面会が出来介護タクシーでの外出もできた。状態は刻々と変化し終末期には「早く逝きたい」との言葉が聞かれた。80代の母親と家族で見守り4カ月余りを自宅で過ごし旅立ちの時は本人が選んだ服を着て葬ることが出来た。 |
訪問看護の内容 | 24時間の安心・安全を提供するために身体状況の観察と主治医への報告、疼痛緩和の為の注射薬持続注入器管理、腹水穿刺など対症療法のサポートや栄養点滴と点滴チューブを付けたままでの入浴時の管理支援、療養指導・助言を行った。点滴用のポンプ等の対応で数回緊急訪問を行った。本人家族と共に苦痛緩和と残された時間の過ごし方について一緒に考え本人の思いを尊重し多職種と連携して本人の能力を支え引き出すような関わりに努めた看護を行った。 |
保険 | 医療保険(3割負担) 週3回訪問・1~1.5時間/回数 + 緊急時訪問看護加算 + 機能強化加算Ⅰ + 特別管理加算(留置カテーテル・在宅悪性腫瘍等患者指導)+ 最終月ターミナル加算 |
利用料 | 約40,000~50,000円/月 国民健康保険の高額療養費受領委任払い制度を利用。訪問看護の自己負担は0円 保険外料金:訪問時の交通費(300円×回数分)、最終日エンゼルケア料 |
腹膜透析利用患者の訪問看護
プロフィール | 80歳男性、認知症がある妻と2人暮し。 次女は市内在住だが長男、次男、長女は県外在住。 腎不全をはじめ慢性糸球体腎炎・腎性貧血性潰瘍性大腸炎、低カリウム血症があり、要介護3であったが屋内の日常生活は自立していた。 腹膜透析を確実に自分で行えることと夫婦2人での生活が出来るだけ長く続けられることを目標に訪問看護を開始した。 |
経過 | 訪問看護開始時は食欲がなく点滴が必要な状態で透析については手技の確認を行った。その後胸水があり肺がんが見つかったが家族の希望で肺がんの検査や治療は行わなかった。食事とトイレ、透析時しか起き上がれなくなり入院を促される。しかし本人が強く自宅療養を希望され妻、ケアマネージャ、看護師が見守るなか自宅で最期を迎えた。 |
訪問看護の内容 | 身体状況の観察、腹膜透析の指導・管理、点滴実施、入浴や清拭他日常生活の支援アドバイと本人の意思を尊重し夫婦2人での生活が続けられるよう在宅療養サポートを行った。妻以外の家族支援が得られにくい状況での支援であったため家族からの信頼を得ることそして、関係者が連携し役割分担をしての関わりが必要であった。 |
保険 | 介護保険(1割負担) 週3回訪問・30分~1時間/回数 + 特別管理加算(腹膜灌流・点滴注射管理) + 緊急時訪問看護加算 + 最終月ターミナル加算 |
利用料 | 約10,000円前後/月 被爆者健康手帳の公費助成あり:訪問看護の自己負担は0円 保険外料金:訪問時の交通費 |